No.74(ドイツ・イタリア・北欧)  : 

「独の地方分権化のH(ホップ)→S(ステップ)→J(ジャンプ)とは何か?」

13世紀のシュタウフェン朝断絶後「大空位時代」(皇帝の位が空いた状態)を経験
し、ドイツ(神聖ローマ)皇帝選出の混乱を収拾すべく、14世紀に皇帝カール4世
は金印勅書を出して七人の選帝侯を定めたが、逆に皇帝権を弱体化させてしまっ
た。15世紀には領邦国家の一つであるオーストリア大公のハプスブルク家が帝位
を世襲して自領優先の政治が行われたり、約300もの領邦が分立したためドイツ
の統一は不可能となり、ほぼ分裂してしまった。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
「駅が一つ違えばそこは他国のようだ」と言われるくらい、今日も地方色豊かなド
イツの国柄が、中世期の地方分権の進展をルーツとしていることに、大きな関心
を持って学習に望んでいる。

思考・判断:
現在は別々の国である、ドイツとオーストリアの関係について、中世末期以降、後
者が「ドイツ世界」の中心であったことを的確に判断している。また、皇帝と王や諸
侯の間の主従関係について、正しく理解している。

資料活用の技能・表現:
「ドイツ世界」すなわち神聖ローマ帝国と、その内部に存在するオーストリアやザク
セン、ベーメン等の王侯国の関係を、概念図で説明できる。

知識・理解:
13世紀中頃の大空位時代・14世紀中頃の金印勅書・15世紀中頃のハプスブルク
家による帝位世襲と、規則的に「ドイツ世界」がその分立の度合いを強めていくこ
とについて、基本的な知識を身につけている。